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Transformers Unofficial Fanfiction blog

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蓮さまよりリクエスト。
ビー総受け
ほろ酔い攻めボッツ、ビーについて大いに語る







■S.S氏の証言■
誰がこの中で一番バンブルビーに好かれてると思うかって?
さぁ、そんなこた俺には分からないが、……そうだな。敢えて言うなら、あいつに一番気安く慕われてるのは間違いなく俺だろうな。言ってみりゃ、兄貴分ってやつさ。他の面々は、あいつの兄代わりになるにはちょいと製造時期が離れすぎてるだろ。
無論俺は兄代わりのポジションで満足するような無欲な男じゃないが、まあ案外悪くないモンだぜ。だって、なァ、考えてもみろよ。色事絡みの質問なんて、俺以外の誰にあいつが出来ると思う? ラチェットや、アイアンハイドや、オプティマス・プライムに? そりゃ無茶ってモンさ。あいつだって、相談相手くらい選んでる。
ん? ああ、色事絡みっつったって、そんなリアルなモンじゃない。例えば、誰某を好きになっちまったんだけどどうしたらいいかとか、そういうことじゃなくてな。……なああいつ、俺になんて聞いたと思う?
『ねえ、サイドスワイプは、女の子好きになったことある?』
これだよ! しかも、こう、コテンと首を傾げてだ。俺に聞くわけだ。俺に。
『キスって、したことある? キスするのって、どんな気持ち?』
ってさ!
可愛いだろう! 想像してみろ! 身悶えるぞ!
……アイアンハイド、あんた何か言いたそうだな? 何だよ。あんただってバンブルビーからこんなメッセージ貰ったら、絶対永久保存フォルダに突っ込むはずだぜ。ああ、賭けてもいいね!
つーか司令官も、言いたいことがあるならどうぞ。そんな悪魔みてーな形相で睨むの勘弁してくださいよ。……キス? いや、そんな、手取り足取り腰取って、実践で以て教えたりなんかしてませんよ俺は。ちょっと、試してみるか? って聞いただけですって。純然たる親切心ですって。口で説明するより分かりやすいでしょう。いや実践はしてませんって!
大体あの時あんたが突然乱入してきやがったんじゃないかラチェット! 何なんだあれあのタイミング! タイミング良すぎないか!? 良すぎるだろう! おかしいだろうあれ明らかに! ていうか前々から聞きたかったんだが、ラチェットあんたバンブルビーになにか仕込んでないか!? スパイウェア的な何か!
……何で答えないんだよ。なんだよそのすげェ良い笑顔! 怖ぇよ!

 


■I.H氏の証言■
……俺にそんな質問を振るな。分かるわけないだろう。
じゃあ俺があいつをどう思ってるかって? じゃあってのは何だ! なんで俺がそんな質問に答えなけりゃならん!
ああ、全く、……若いが感心な奴だと思ってるさ。確かにな。なりは小さいし、経験もまだ乏しい。だがあいつはそれを補って余りある努力家だ。そういうことじゃないって? じゃあどういうことだっていうんだ!
俺が言いたいのは、だ。あいつは努力することを厭わないどころか、そこに喜びをみいだすようなヤツだってことだ。自然、こっちだって必要なときは手助けしてやろうという気持ちになるだろうが。
このあいだも、しきりに俺の予定を尋ねるから何かと思えば、俺に白兵戦の特訓を付けて欲しかったらしい。それ以来空いている時間があれば訓練をしてやってるんだが、……おい、言うに事欠いて抜け駆けとはなんだラチェット! 俺には何も疚しいところなんかないぞ! お前と一緒にするな!
オプティマス? ……いやあんたには無理だろう。オプティマスとあいつとじゃ、いくら何でもパワーもサイズも違いすぎる。あんたの戦い方は、バンブルビーには参考にならんよ。
ああ……、何だ、今度はお前かサイドスワイプ。何だその不満垂れ流しの顔は! それは俺もおなじことだろうって? そうかもしれんが、ああ、クソッ、知るか! バンブルビーが頼んできたんだ! だから俺はそれに応えてやってるんだ! 何が悪い! それとも無視しろってのか! そんなこと出来るわけがなかろう! 何で俺を選んだか、その理由が知りたけりゃ、俺でなくバンブルビーに聞け!!
言わせておけばこの野郎、「よりにもよって」ってのは何だ!?

 


■R氏の証言■
私かね?
まあ私の場合、普通に考えれば甚だ損な役割といえようね。
私は軍医でありその主たる役割はオートボット全員のメンテナンスやリペア、それから定期的なメディカルチェックであるわけだが、周知の通りバンブルビーはそのどれもが苦手なようでね。常に戦いの中に身を置く我々にはそれら全てが必要不可欠で、且つ、決して逃れられないものと理解していないわけではないだろうに、まあ毎回見事なくらい嫌がってくれる。嫌がられようが何をしようがそれで私が赦してやるわけがないことくらい、そろそろ理解してもいいころだと思うのだがねえ。
決して頭の悪い子ではないのに、あの頑なさは一体何なのか。寧ろ嫌がれば嫌がるほどより精密なチェックと緻密なメンテナンスと綿密なリペアになっているのを、よもや気付いてないのか? 私は時折、もしやバンブルビーは誰よりも微に入り細に入った診療を受けたいから、わざわざ毎回あんなに頑なに嫌がる振りをしているのではないかとさえ思えてくるよ。ある種のツンデレってやつだな。
……何だね君たち、揃いも揃って、その、ドン引いた目は。
第一だ。常々思っているのだが、オートボットの面々は、私以外の誰もがバンブルビーに甘すぎるのだよ。私以外に、バンブルビーに心底嫌がられても尚、為すべきことを遂行できる者がいるかね? 例えばアイアンハイド、お前、定期メンテナンスを嫌がるバンブルビーを、メディカルベッドに括り付けてでも強行することが出来るか?
……何だって? 何を言うんだね、私が彼を拘束するのは、作業の効率性と、他ならぬバンブルビーの安全の為だとも。私の趣味などではないさ。勿論。
おやサイドスワイプ、なんだその目は。
私がとても良い笑顔なのは仕様だ。
そもそも考えてもみたまえ。バンブルビーが強固に嫌がるというのはつまりどういうことか? 些かばかり業腹ではあるが、この際だから君らに教えて差し上げよう。
いいかね? バンブルビーはメディカルチェックやメンテナンスやリペアを酷く嫌がる。いつも、例外なく。つまりその時、何とかそれらから逃れようと、彼は私に駄々を捏ね、我が儘を言い、時にはおねだりさえしてみせるのだよ。
『やだったら、やだ!』
『ねえ、ラチェット、どうしてもしなけりゃ駄目?』
『ラチェットが今度おいらにもう一回あのバイオマスエタノールを飲ませてくれるっていうなら、おいらちょっとだけ我慢しても良いよ』
『ねえ、お願いだよラチェット。えーっと、そうだ、おいら、ジョルトの代わりにラチェットの手伝いするよ! その代わりに、今回は見逃してくれないかなあ』
……こんな具合にだ。あまり手を煩わせられるのは困りものだが、ああ認めよう。こういう時のバンブルビーは、蓋し愛らしい。こんな風に聞き分けなく駄々を捏ね、他愛もない我が儘を言い、上目遣いでおねだりをするバンブルビーを、彼を甘やかすばかりの君らは見たことがあるかね?
畢竟、この軍医という立場は、損な役割であるのと同じだけ役得なのさ。そして無論私は、この役を他の誰に譲ってやるつもりもないのだよ。

 


■O.P氏の証言■
バンブルビーの中の格付けがどうなっているかは私の知るところではないが、彼が私を真摯に慕ってくれているのは揺るぎない事実で、それを私が疑ったことはない。疑うなど、そんな真似は誰よりバンブルビーに対して失礼というものだからな。
先ほどアイアンハイドの話にもあったとおり、私とバンブルビーの間にある体格の差は、あまりにも絶対的で大きい。その体格差を前にもどかしい思いをすることがないとはいえないが、悪いことばかりではないのも事実だ。
例えば、そう、バンブルビーを膝に抱いて座らせてやることができるのも、体格差の恩恵といえよう。なっ、セクハラとは何だサイドスワイプ! それじゃあまるで私が無理矢理彼を抱っこしたみたいじゃないか! そんなことはしていないぞ! 断じてしていない! ただちょっと彼が眠っている隙をついただけだ! ……い、いや違うアイアンハイド、寝込みを襲ったとかそういう誤解を招く言い方はやめたまえ。私はただ、彼が硬い床で寝て、体を痛めたらいかんと思ってだな……。じゅ、純然たる好意だとも!
そ、そう、他にも、初めてこのディエゴ・ガルシア島の海を見たとき、バンブルビーが、もっと遙か遠くまで水平線を見たがった時のことだ。無論私はすぐさま抱き上げ、私の肩に乗せてやったとも。あのときの、あの嬉しそうにはしゃぐビープ音は忘れられん。首に回された腕の感触もな。……と、いうか、物理的にも半永久的に忘れられんようになっている訳だが。
あれは可愛かった……。
いや、いや駄目だラチェット。このデータは誰にもやらん! やらんぞ! 何だ解析の必要というのは! どんな必要があるというのだこのデータに!
それから、そう、密かに私が気に入っている彼の仕草を聞きたいかね? 聞きたいだろう?
私とバンブルビーとは、ご覧の通りの身長差だからな。普通に隣り合って立った状態では、彼は首が痛くなるほど見上げないと、私の顔を見ることさえ出来ない。勿論私が彼にそんな苦行を長く強いる訳もなく、私はいつだってすぐさま腰を落とし膝を着いて彼に視線を合わせてやるのだが、そうするたびに笑うのだバンブルビーが! こう、はにかみがちに! 何たる萌え! 我が胸のスパークが妖しく震えるのも道理だろう。
体格差があるというのも、なかなか悪くないものだ。全く。

 


                ***

 


うっっっっざいわ……。
というのが、アーシーの正直な感想だった。酒の肴になるのではないかと、ちょっとした好奇心と野次馬根性で話を向けたのがそもそもの間違いだった。腹より胸がいっぱいになった。しかもそれは決して良い意味ではなく、なんというか、強烈な胸ヤケで。
好奇心猫をも殺すってこういうことかと、アーシーは嘗ての地球に生きた先人の訓戒を思い出し、心底うんざりする。
そんなアーシーの手にも、残る面々の手にも、丈夫な鋼鉄製のマグが握られている。中身は、トウモロコシ原料のバイオマスエタノールだ。過日の騒動の原因になったアレである。あの一件以来持ち込みも持ち出しも厳禁になった……というのは表向きで、バイオエタノールはこうして密かにオートボットの間で愛飲されている。但し、年長組の間でのみ。飲酒行為が大人たちにとって日常の中のささやかな娯楽になるのは、アーシアンもセイバートロニアンも変わらないのである。
というわけで今この場にはバンブルビー、マッドフラップ、スキッズの三人はいないのだけれど、恐らく後々このことが知れれば一騒動あるだろう。でもしょうがない。大人は大抵、こどもたちにいつだって色んな隠し事をしているものだ。
但しバンブルビーの場合、幼さよりも酔った後の悪癖(と、オプティマスの過保護)のせいでこの酒宴には加われずにいる。尤も、彼がいないからこそ、アーシーもこんな話題を振ったのだけれど。
そしてそのことを、アーシーは心底後悔している。目の前では、すっかり収拾のつかなくなった舌戦が、今も熱く繰り広げられていた。ディベートの議題がもうちょっと実のあるものならまだしも、よりにもよって「誰が一番バンブルビーに愛されてるか」だなんて。下らない上にウザすぎる。……と、アーシーが辟易するのも無理はなかろう。尤も、彼らにその議題を与えたのが当のアーシー自身とあっては、彼女も彼らのウザさより己の浅慮を呪うより他ない。
仕方がない。アーシーは腹を括った。この手はあまり使いたくなかったのだけれど、背に腹は代えられない。
アーシーはにこりと笑い、そして未だ舌鋒鋭く討論し続ける彼らに言ってやった。歌うような口調で。
「そういえばバンブルビー、私に言ったことがあるわ。
『アーシー、綺麗。ねえ、いつかおいらのお嫁さんになってくれる?』って」
と。

 


その後の悲劇について、アーシーは莞爾として微笑んだままそれを誰かに語ろうとはしない。
そんな彼女は勿論、あのプロポーズがもう何万年も前、まだ生まれたてのベビーだったバンブルビーが口にしたものだなんて事実もまた、決して誰にも教えてやるつもりはないのだ。
大人は何かを隠している。そしてそれ以上に、女は秘密の多い生き物だから。

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